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カメラ設定
【撮影】2009年09月27日|10:03
【機材】Nikon D70|18-70mm
【設定】F8|1/400sec|ISO200|24mm(換算:36mm)
撮影メモ
北アルプスの涸沢ヒュッテより、パノラマコースでの下山ルートの途中、屏風の頭の手前の登山道より撮影。
パノラマコースの登山道は、初心者向けとは言えませんので、最新の登山道の状況を確認した上で、利用されるようにお願いします。
とは言え、この涸沢カールを俯瞰する眺めは、ここでしか見れない絶景であることは間違いありません。
例年であれば10月の体育の日の連休に、見頃を迎える紅葉ハイシーズンの涸沢ですが、この年は紅葉の進み具合が早く、急遽9月下旬に訪れることとなりました。
この年は紅葉の色付きも良く、当たり年とも言われた年でした。紅葉の見ごろのタイミングは、その年の気象条件によって大きく外れる場合もあります。
9月中旬頃からは涸沢ヒュッテから発信される情報を、そわそわしながら毎日チェックするのが日課になります。涸沢の紅葉情報だけでなく、その他の地域の情報も収集して、見頃に合わせて効率よく休日を有効活用出来るように、毎年、計画に頭を悩ませます。
もちろん、そうそうタイミングよく紅葉の見ごろと、休日は合わないので、どうしても自分の場合は北アルプスを優先して山行する傾向が強いので、秋山シーズンの富士山の写真はあまりありません。
そんな日本一の山岳紅葉の当たり年に撮影出来たのが、この写真であり見事な紅葉でした。難しいのは太陽光の当たり具合が悪いと、せっかくの鮮やかな紅葉の色合いがうまく表現出来ないため、その微妙な加減がいつも悩ましいところです。
デジタル画像なんですからレタッチしてしまえば、もっと色鮮やかに自分の見た印象に近付けられるのでしょうけど、そう言うところはアナログ人間なので、撮って出しの無修正で一発勝負の写真を掲載しています。
キャンプ場のキャパシティは公称500張りと言われ、平らな箇所は少ないけれど、北アルプスの山岳の中でもかなり広いところです。そんな涸沢のキャンプ場も紅葉のハイシーズンともなると、それを遥かに超える1,000張りもの広大なテント村が出来上がります。
その混雑ぶりは朝のトイレ待ちの行列が物語っており、酷いときには1時間待ちにも及びます。もう恐ろしくて、ピークの時間帯にトイレに並ぶなんて、とてもじゃないけど考えられません。
そんな混雑を嫌って、近年は紅葉シーズンには次第に涸沢から足が遠のいていますが、人よりも早く夜明け前から撮影準備を始めて行動を開始すれば、殺人的なトイレ渋滞の回避も可能です。
また日中の紅葉撮影だけが目的であれば、混雑必至の涸沢の山小屋にて宿泊せずに、上高地から3時間の横尾で横尾山荘に宿泊して、涸沢まで身軽にピストンした方が快適に夜を過ごせると思います。
自分も横尾にテントを設営して、登山道も空いてる夜明け前から登り始めて、一日ゆっくりと涸沢での撮影を楽しんだ経験があります。午前中はひとしきり撮影を頑張って、ビールを飲みながら昼飯を食べて、少し昼寝をしてからテントに戻った記憶があります。
とにかく紅葉シーズンの涸沢に行く場合は、山小屋だけでなく登山道も混雑しますので、道の細い場所では行き帰りのすれ違いや、追い抜きが困難になるため、延々と渋滞が発生することも少なくありません。
そんな混雑を避けるためには、時間帯をずらして人より早く行動を始めて、快適な山行を心がけるのが賢い楽しみ方です。
参考にしていただけたら幸いです。
おすすめポイントの紹介
涸沢(からさわ)カールとは、長野県にある日本有数の氷河圏谷であり、穂高連峰の東側を氷河で削られたお椀のような形をしていることから、カール地形と呼ばれている場所です。
涸沢カールは、そのカール地形から周りを穂高連峰に囲まれており、カールの底から見上げる標高3,000m級のアルプスの山々は、それはもう圧巻としか言いようがありません。
上高地からはコースタイム約6時間の登山で涸沢に到着すると、そこには見たことのない絶景が待ってるはずです。宿泊の受付などを済ませたら、涸沢ヒュッテ名物のおでんと生ビールで乾杯といきましょう。この絶景をツマミに、ついついビールがすすみます。
残雪期の春山登山のシーズンでもあるGWには、山小屋の営業開始を待ちわびた登山者たちが、全国から大勢訪れて賑わいを見せる登山シーズンの始まりとなります。
麓に春が訪れる季節になっても、標高2,300mに位置する涸沢では、まだまだ豊富な残雪により夜間や早朝の気温は氷点下を下回ることも珍しくなく、日の出の撮影にはダウンジャケットなど真冬と同じ装備が必要となることを覚えておいてください。
GWならではの雪と氷に包まれた穂高連峰の眺めは圧巻です。また秋の紅葉最盛期も穂高連峰と錦秋の涸沢カールの眺めは日本一の山岳紅葉と賞賛されており、登山者なら誰でも一度は訪れてみたい場所と言われています。
登山のハイシーズンとなる夏になっても残る雪渓は、北アルプスの高山帯ならではの光景でもあり、ぐるりと仰ぎ見る岩稜の穂高連峰と可憐なお花畑が広がる涸沢カールは、登山者のベース基地としても大変人気の場所です。
連休や週末ともなると全国から登山者が訪れて、涸沢カールの底には広大なテント村も出来上がり、テントに明かりが灯る夕暮れ時には見逃せない幻想的な光景が広がりますので、ぜひ飲みつぶれてシャッターチャンスを逃さないように、気を付けてください。
そして翌朝の楽しみと言えば、日の出の真っ赤なモルゲンロートに染まる穂高連峰の山々を撮影することでしょう。
穂高に登らなくても涸沢カールでビールを飲みながら、移りゆく時間の中でのんびりと撮影に興じるのも、日常を忘れた贅沢な楽しみと言えますので、ぜひとも一度は訪れて欲しい場所です。
合言葉は「涸沢カールで会いましょう」です。心に残る絶景を求めて涸沢カールを訪れてみてはいかがでしょうか。